乃木繭子 本のある風景など。http://twitter.com/komayuko


by mayukoism
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うつくしいうつくしい夜は、朝はめぐりぬ

いま、いちばんののぞみ。
歩いてもずりおちない靴下がほしい。


とうとつだが、モーニング、というものが好きだ。
モーニングセット、モーニングプレート、など。
朝から外食。非日常のにおいがする。わくわくする。
朝食とはちがう。朝食は日常の景色の中だ。
白い鋭角のひかりにテーブルは照らされて、いつもよりあざやかな一日がはじまる。
びんぼうな夜更かしにはなかなかのぜいたくなのだ。


デザート、というものも好きだ。
夜もふけて、空腹は満たされ、話すことももうそんなにはない。
横目で終電の時間を確認し、あとどれくらいいられるのかを、頭の中ではじく。
ひとりとひとりで、ぼんやりと歩いていると、ふいにこう言うのだ。
じゃあ、デザート食べよか。
まだ休日の夜はおわらない。うれしくて意味もなく小走り。


おみやげ、というものも好きだ。
おみやげのことを言うとき、ひとはあまりこちらを見ない。
たとえば仰向けで本を読みながら、あ、そういえばおみやげがあるよ、とすまして告げる。
おみやげ!そんなだいじなことをきみは忘れていたのかきみは。
冷蔵庫をあけて、自分の知らない何かが入っていたときのおだやかな興奮。
なにかにまもられている、と思う。どうせすぐにむきだしになるから、いまだけ。


そんな感じの休日だった。


もったいなくてなかなかすすまない『幻影の書』(新潮社/ポール・オースター著)。
こんな書き出しでは、おもしろいにきまっているのだ。

誰もが彼のことを死んだものと思っていた。彼の映画をめぐる私の研究書が出版された
一九八八年の時点で、ヘクター・マンはほぼ六十年消息が絶えていた。


ああ、すすまない。
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by mayukoism | 2008-11-21 00:38 | 生活