乃木繭子 本のある風景など。http://twitter.com/komayuko


by mayukoism
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ゆううつと憂鬱と非ゆううつのあいだ

ゆううつだ。
ゆううつなのである。
ひらがなで書くくらいでちょうどよい。
憂鬱、と漢字で書くといばらのようなイメージで、見ているだけでちくちくいたい。
社内で異動があり、わたしは異動しないのだが、来月からのたいへんな仕事を
わりふられてしまったのである。
いってみればアルバイトのみなさんを統率するみたいな、けったいな仕事なのである。

いろんな方にその話をふられて、ふられるたびに新しい発見があった。
あ、そんな面倒なこともやらなきゃいけないんだったそういえば、というゆううつな
発見である。
じぶんはじぶんで、ひとはひとで、と思って生きているから、実はあんまりなんにも
かんがえてない。
みなさん勝手におもしろくやっていただきたい、とほんとうは思っている。
そんなことではなく、たとえばずっと、わたしはかにのはさみとたわむれていたいのだ。
たとえばずっと、トンネルの灯りの数をかぞえていたいのだ。それなのに。
あーあー(うたう)。

図書館本。
『マタニティドラゴン』(筑摩書房/川本晶子著)
津村記久子と太宰治賞を同時受賞してデビューした作家の新刊。
受賞作『刺繍』(筑摩書房)が思いのほかおもしろかった記憶があり、リクエストしてみる。

表題作よりも、所収の『ことり心中』がおもしろい。
表題作は、女彫師という設定に、物語全体がひきずられすぎていて、バランスが
あまりよくない。
いま、三十代女性をリアルに書きだす作家といえば角田光代だと思うけれども、
川本晶子はもう少し上の、三十代後半から四十代くらいの女性のすがたをえがく。
川上弘美から、蛇的要素(?)をぬきとったような小説である。
「クツシタ」と呼ばれる51歳の、枕のくさい、お腹の大きい、風呂を垢だらけにする男と
「私」との日々がえがかれている。そこにはそこはかとなく、おしつけがましくなく、
おとろえとおわりの匂いがする。それが物語をつましくしている。
後半に「男」が出てくるのだが、これがいらなかったと思う。とってつけたようで、
これさえなければもっとよかったと思うのだが残念。
いわゆる純文学向きではないけれども、読むものに、確実に届く言葉を書ける人だと思った。

チーズクリーム大福が増えている。
いままでは2個の入荷だったのが、一気に5個に増えている。
毎日のように買い占めていたからか。
2個買う。仕事の前と、仕事のあとにいっこずつ食す。
あーあー(うまい)。
あーあー(こだま)。
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by mayukoism | 2008-11-18 00:54 | 本のこと