乃木繭子 本のある風景など。http://twitter.com/komayuko


by mayukoism
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徒歩で行く新宿

夏休み最終日。
昼すぎより動き出す。

目的地は新宿。紀伊國屋書店新宿本店。
「〈熱き時代〉の新宿、新宿の〈いま〉」フェア開催中の5階まで、徒歩でめざす。
日差しは明るいけれども、その柔らかさが季節の移ろいを肌に教えている。
目を細めていると、あっという間に高田馬場の大きいブックオフに着いた。
1冊購入。

『文藝 2008年夏号 特集・作家ファイル1998~2008』(河出書房新社)
550円。

早稲田のほうは通らないの、と知人に聞くと、反対方向だよ!と言われる。
どうも最近、目的地に対してまったく別方向を向いていることが多く、
ひょっとしたら自分はかなりの方向音痴なのかもしれないと思いはじめている。
そんな疑念をもちつつ訪れた、もう一軒のブックオフとバーバー書店では何も買わず。

新大久保の駅前通りを抜ける。多国籍の匂い。
ガード下の、間口の小さな不動産屋で丸刈りの男性二人が接客?をしていて
いろいろな悪いことを想像してしまう。
ぐるぐると住宅地を抜けると小滝橋通りへ出た。
またブックオフ。ここでも何も買えず。昼間から人がたくさんいる。
小腹が空いたので「東京麺通団」へ。「ひやかけ」と大きな野菜かき揚を食す。

目的地。紀伊國屋書店新宿本店へ。
5年ほど前ここで働いていた。ここの「匂い」をかぐと、当時のことがリアルによみがえる。
苦しい時期にあっても愉しみは見出せるものだと体感した場所。
5階へ。
新聞に赤と黒のスプレーを塗ったディスプレイがいい演出だ。
ありそうでない選書と、新刊に混じって「わめぞ」による古本販売。
無料配布の「新宿、紀伊國屋書店60s 70s」は、唐十郎、森山大道、菊池成孔など、
執筆陣が無料とは思えない豪華さ。

紀伊國屋書店、ジュンク堂は情報発信がほんとうに上手いと思う。
たとえば自分の勤務する書店でも、それなりに同じような試みをすることはできるだろう。
けれど、情報の届き方が上記2店に比べて圧倒的に弱いのだ。
そのアピール力の背後に顧客の、棚に対する信頼がある。
積み重ねたものは簡単には崩れない。
思いつきで実行したことがいくら目立っても、そのレベルを店として、フロアとして
維持あるいは発展させることができなければ意味がない。
店としての魅力は生まれない。
そして、そういった仕事の一端を自分が担わなくてはならないような気が
ずっとしているのだが、正直、もっと適任者がいるだろうとも思っている。
補佐や参謀としてはある程度できる自信があるが、実行力にはまったく自信がない。
ああ、夏休みが終わるとそうやって、考えなければいけないことがたくさんあるなあ。

やや焦燥しつつ紀伊國屋を出る。
隣の「ビックカメラ」でノートパソコンやipodなどを見る。
いつのまにか自分のパソコンがとんでもなく古い型になっていることにようやく気がついた。
ipodを買ってもこのパソコンでは何もできないらしい。
パソコンも携帯電話も、新しい型が次から次へと出てきて、なんだか大事に使えば
使うほど損をするような気がする、これはいかがなものか、と一人で憤る。
いやー、でもあれは年季入っているよね、と言われてしょぼんとなる。
来年買い替えをめざそうか。

ちょっと一休みしよう、と言って、さっきうどん食べたからお腹は空いてないよね、
どこか安いところ、マックでも行くか、と話していたのに、急に方向転換。
尋ねると、あそこの回転寿司屋が前に行ったところか確かめたい、と指さす。
目の前まで来て、ひょっとしたら食べちゃうかもああ、なんか食べたくなってきた、と
呟き、ふらふらと自動ドアの前に立つ人。
さっきまでお腹空いてない、って言ってたのに!まったく別の展開に。
おいしかったけど、あの、お腹まわりが。

帰りは副都心線に乗る。
モロゾフで大きなカスタードプリンと栗のプリンをお土産に帰宅。
カスタードは昔ながらの卵の味がしておいしかった。
一口いただいた栗のプリンは、ドライアイスで下がシャーベット状になっており
不思議な食感であったがこれもおいしかった。
プリンが目の前にいつもあれば、争いは起こらないんじゃないだろうか。
そんなことをつらつらと考えながら、夏休み最後の夜は更けていく。

さあ、明日からまた書店員としての日常がまわる。
ほどほどに気持ちをこめよう。
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by mayukoism | 2008-09-18 03:11 | 見たもの