乃木繭子 本のある風景など。http://twitter.com/komayuko


by mayukoism
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雨音のしない夜もある

正午ちかく、本を入れかえていると外がさわがしい。
そっと非常扉を開けると、視界が白くなるほどの雨。
豪雨もかみなりも、どうにもこころがはしゃいでしまう。
そのあと休憩に出るともうやんでいた。

ドトールで、『贋世捨人』(文春文庫/車谷長吉著)を
読み終える。
主人公の生島嘉一と、写真で見た車谷長吉の姿と、
車谷長吉の「伝説」のようないくつかのエピソードが
ぐるぐると駆けめぐる。

このひとは生きることを物語にする。そうでなければ
こんなにたくさんの個性的な「登場人物」には
出会えない。
物語に「なる」わけではない。物語にあえて「する」。
そういう場所をかぎつけて飛び込む。

生きることを物語にするひとと言えば中上健次が
思い浮かぶけれど、中上とはまったく違う。
たぶん車谷長吉のほうが、実は器用ですこしずるい。
このずるさがけっこう好きだ。

巻末の「車谷長吉自暦譜」に思わず笑ってしまった。
生島嘉一もそうだが、いちいち女の人にはげしく
のめりこむところがもうどうしようもなくすばらしいと思う。
『赤目四十八瀧心中未遂』をもう一度読みたくなった。

夕方、仕事を切り上げて閉場時刻間近の高田馬場
「BIGBOX」へと向かう。大急ぎで見て回ったが、
なんとなく棚から「すでに抜かれている」感がただよっている。
それでも何冊か購入。古書現世の向井さんと少し
話した。

自分の部屋でごろごろしながら、『再会・女ともだち』
(新潮社/山田稔著)を読む。出品前の本をむりやり
お借りしてしまったのだが、これは借りてよかった。
予想以上におもしろい。まだ2章目までしか読んでいないので、
明日の鞄の友はこれに決める。

夕飯は白魚のチャーハンとローソンの餃子。
ローソンの餃子はなぜ高いのだ。
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by mayukoism | 2008-08-31 02:46 | 本のこと