乃木繭子 本のある風景など。http://twitter.com/komayuko


by mayukoism
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新しい電車と古本

何年か前、おそらくまだ学生のころだったかと思うが、
池袋と渋谷をむすぶ新しい地下鉄ができるんだって、という
話を聞いた。

そのころがいちばん洋服に興味があって、雑誌もよく眺めたし、
ショート丈のPコートを1年越しで買いに行ったりした。それで
地元からいちばん近い繁華街である池袋と、渋谷にはよく行っていた。
池袋ではパルコに、渋谷では、うん、ごく普通にドレステリアとか、
マーガレットハウエルとか、SHIPS、BEAMS、ユナイテッドアローズetc.
今と変わらず貧乏だったので購入することはほとんどなかったけれど、
そのころえいやっと買った服はまだ着られる。

地下鉄の話を聞いて、それはすごいね!と興奮したが、現実味は
なかった。遠い国のニュースを聞いている子供みたいな気分で、
新しい線路のことを思った。

そしたらねえ、2008年。本当に開通してしまいましたね、副都心線。
あの話は現実だったのだなあ。どこかで作り話なんではないかと思ってたよ。

日曜。お休みをいただき、雑司が谷へ。鬼子母神古本まつりに行くために。
古本まつりの前にも何回か、歩いた。都心で、高い樹を見つけると安心する。
もともと田舎育ちで、緑がいつもそばにあったので。
鬼子母神の入り口の、あの大きなけやきの樹にさわろうと思っていたのに、
古本まつりで興奮して忘れた。お参りも忘れたし、また今度しずかな
鬼子母神を見に行きたい。

緑があって、たくさんの人がいて、白いシャツが初夏の日差しにときどき反射して、
京都の下鴨の感じを思い出した。屋外で見る古本というのは、どうしてあんなに
魅力的なんだろう。背表紙が生きてるみたいに目に入ってくる。
本来、書物は外にあるものではないのにな。だからなのか?

新しい駅のそばで、みんな笑っていて、楽しそうだった。
新しい路線が開通した、という事実が共通の認識としてあって、
列車が到着するのをいまかいまかとだれもが待っている。
いいな、と思った。
明日は急ぐ人も、今はみんなやさしい気がしたのだ。
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by mayukoism | 2008-06-17 12:18 | 本のこと