乃木繭子 本のある風景など。http://twitter.com/komayuko


by mayukoism
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ナポリタン・メモリーズ

『探偵はBARにいる』という映画で大泉洋演じる探偵が、喫茶店で毎朝食べるのが
「ナポリタン」だった。
喫茶店のウエイトレスが探偵の気を惹こうと、ダイタンに挑発するその妙な仕草に、
つい目をうばわれてしまうのだけど、たしかにあれはナポリタンだった。

と、気がついたのは、その夜たまたま観た「きょうの料理」の献立が、「スパゲティナポリタン」だったからだ。
いくつか知らない工程があった。

ひとつは「くだいたスープのもとを入れる」。
もうひとつは「パスタのゆで汁を最後に加える」。
さっそくためしてみる。

わが家では、「ナポリタン」が献立の中心になることはなかった。
オムレツや、ハンバーグの付け合わせとして、それはこじんまりと存在した。
だから、ナポリタンをめぐる記憶や郷愁は、自分のなかにほとんどないはずなのに、
ナポリタンを思うとき、それはいつもなぜか「懐かしい」。

ナポリタンの「懐かしさ」とは、赤々したケチャップが醸しだす「スナック感」なのか。
輪切りのピーマン、櫛形の玉ねぎ、缶づめのマッシュルームが織りなす「おもちゃ箱感」なのか。
できあがったナポリタンを意味もなくしみじみ食していると、同居人が、
「なぽり+たん=萌え・・・」などとくだらないことを言う。

ナポリタンのレシピをインターネットで調べてみると、じつにさまざまなナポリタンがあった。
牛乳を入れてまろやかにするものや、意外と多かったのは「ソース」を加えるというもの。
ナポリタンは日本で生まれた洋食だというから、今後も日本の各家庭で進化をとげるのかもしれない。

家、と言えば何年か前、わめぞのネギさん邸へお呼ばれしたとき、
「猫ストーカー」の浅生ハルミンさんが、ナポリタンを作ってくださったことがあった。
カゴメかデルモンテか、ケチャップをまるまる一本使いきるという、まっすぐなナポリタンだった。
神聖な舞台をみるように、真剣にケチャップを使いきるハルミンさんを、各々が真剣に見ていた。

それよりもずっと前、日韓ワールドカップをみんなで観よう、と集まった当時の同僚の家で、
お母さんがナポリタンを、大量に作ってくださったことがあった。
おそらく目分量でパスタを茹で、目分量で味付けをしたと思われる、大盛りの「ナポリタン」が
妙においしくて、たのしかった。

だれひとりサッカーが好きなわけではなかったのだけど、ただ無邪気にはしゃぐ女子たちと、
使いなれない皿で食べたナポリタンの赤さは、たしかにわたしの「懐かしさ」につながっている。
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by mayukoism | 2012-02-04 03:41 | 生活