乃木繭子 本のある風景など。http://twitter.com/komayuko


by mayukoism
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青と桃

3つ違いの妹とおそろいの服を着せられた記憶がない。

幼い自分に母は「ふたりのコセイをソンチョウして」というようなことを言ったが、
そのときは意味がわからなかった。
わからないながらに覚えているのは、なんとなく重要なことを言われた気がしたからだ。

毛布やタオルなどの生活必需品は、いくつかおそろいがあった。
たいてい色違いで、わたしが青か緑、妹がピンクか赤だった。
選択権はなく、とくに問題もなかった。
ただ、わたしは与えられた青い毛布をかぶりながら、
青色がピンクよりもすぐれている理由を頭のどこかで考えていた。
すぐれている理由が見つからなかったので、わたしは青色が好き、と思うことにした。

・・・かどうかはさだかではないけれど、色を選ぶときにはいまでも青や黒など、
地味な色をえらぶ。
いまならその色が好きだと言えるし、それなりに自分に合う色だともおもう。

先日、2年前に亡くなったKくんの3回忌法要がいとなまれ、お斎に出席した。
(※Kくんについてはこちらこちらに書きました。)
親戚付き合いがなく、ふたりきりになってしまったご両親から、何度もお礼を言われた。
Kくんの位牌を真ん中にして集合写真を撮った。
一周忌のときに撮影した集合写真は仏壇の前に飾っているので毎日見ている、とお母さんは言った。

最近になって写真は、写真にかぎらず残すことは、大事だとおもうようになった。
いままでは記憶が大事だった。
その場に「いる」ことをなによりも大切にしたかった。
けれども記憶は、わたしがいなくなったら消えてしまう。
そしてわたしの記憶装置はそれほどかしこくないことに、気づいてしまった。

お斎が終わり、お母さんが女の子はこっち、男の子はこっち、とお返しを持たせてくださった。
その後の気楽な飲み会でお返しを開けてみた。革のパスケースだった。
革は黒で、縫い目と裏地が女性がピンク、男性は青だった。
パスケースに定期をはさむと、「PASMO」のピンクのロゴと糸の色が合ってかわいいな、とおもった。
つぎは7回忌だけど、一年に一回くらいこの時期に会うことにしようか、とだれかが言って、
みな、すこし考えたあと、ばらばらにうなずいた。
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by mayukoism | 2012-01-13 02:47 | 生活