乃木繭子 本のある風景など。http://twitter.com/komayuko


by mayukoism
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WALKING IN THE RHYTHM

Fishmans佐藤伸治はかつて歌った。

歩くスピード落としていくつかの願いを信じて
冷たいこの道の上を 歌うように 歌うように歩きたい


それは『WALKING IN THE RHYTHM』という歌で、わたしは22歳だった。
この身体にいまは血がながれていてあたたかいように、
この詩はそのときの自分のすみずみまでゆきわたった。
ゆきわたる、と変換するまでもなく、聴いたそばからそれが呼吸なのだった。

お茶の水駅から明大通りを下るとき、よくこの歌が頭の中で流れる。
歩くスピードを落として、いくつかの願いを信じて、歌うように、歌うように歩く。
それが、奇跡にかぎりなくちかいリズムであることを、いまはおもいながら歩く。

自分にながれているリズムのことをときどき考える。
すごくゆっくりだ。
うごいてる?ちゃんと息してる?とおもうほど、ゆっくりだ。
はやい人にあこがれる。はやい人の背中を見ている。
はやい人の背中が見えなくなったところが、わたしの地平線。
地平線とはたどりつかないもののこと。

地平に眼をこらしながら、いったいどこまで行けるだろう。
書きだして、ふと思い出して、Fishmansの歌を久しぶりにCDできちんど聴いているけれど、
生きるために必要なやさしさがあるとして、そのやさしさにはこんなに種類があると、
そのやさしさにはこんなにもたくさんの景色があると、
佐藤伸治の詩がいまもわたしにおしえるのだ。
このリズムで行くしかないのだ。

走り出したって追いかけないというやさしさもあるのだ。





君の一番疲れた顔が見たい
誰にも会いたくない顔のそばにいたい

それはただの気分さ それはただの想いさ

Fishmans『それはただの気分さ』

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by mayukoism | 2010-01-06 02:11 | 言葉