乃木繭子 本のある風景など。http://twitter.com/komayuko


by mayukoism
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

5年後

駅前に、タクシーの「空車」の赤がつながっているのを見るといつも、心臓みたいだと思う。右胸。

古書現世の向井さん、東京堂の畠中さんと飲みに行く。
「5年後」について話す。
向井さんのようにやわらかく、ものごとの本質を見抜く目をもちたいなと思う。
畠中さんのようにやわらかく、好奇心と行動力をむすびつけられたらなと思う。
ふたりに共通しているのは、ふたりとも「現場」の方であるということで、
目で見て手で触れることのできる経験が、ふたりの中身をかたちづくっている。
それは「現場」のためにつみかさねられたもので、たとえばそれを何かの武器のように
ふりかざしたりはしない。
わたしはまだ経験を武器のようにおもっている。
だからうまく「現場」を、もしくは「現場」の自分をかたちづくることができない。

5年後、というからには5年前のことも思い出してみる。
5年前の自分がこうありたいと思う5年後に、自分はいまいるのかしら。
当然、いるとも言えるし、いないとも言える。
バイトであったのが縁あって社員になったり、向井さんや畠中さんとこんなふうにお話することもできたり、
現実的にはそのときのぞんだ場所に、それなりにいると思う。
でもやっぱり中身がともなっていないんだよなあ。
自分のできるせいいっぱいでだれかに対峙しようとしたときに、さしだせるものがない。
その感覚は5年以上前からかわらない。

あたらしい仕事の話からわらえる暴露話まで、いろいろ話しているうちに午前3時になった。
畠中さんが鼻血を出し、向井さんのまぶたの動きがゆっくりになってきたころ、店を出た。
畠中さんはタクシーに乗って、明治通りを手をふりながら走りぬけていった。
向井さんと往来座の前をとおったとき、往来座が閉まっているとなんかすごくさみしい気持ちになる、と言って、
わたしも日々そう思っていたので、でもそれをどう伝えれば「本当にそう思っている」ことのすべてが
伝わるのかわからなくて、あわあわとした。

翌日、遅刻してきたバイトさんに理由を聞いたら「神田祭の山車の馬が大暴れしていて」と
言ったのがおかしくて、注意しなければいけないのに笑ってしまった。
[PR]
by mayukoism | 2009-05-12 16:58 | 生活