乃木繭子 本のある風景など。http://twitter.com/komayuko


by mayukoism
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沖縄の夜と東京の朝

明治通りのゆるい坂道からも、アルタ裏のネオン街からも月は見えるし、星も見える。
帰り道とは、いつもひとりひとりであるということ。

夜もふけて、知っている人はじめての人入りまじりの酒宴に参加させていただく。
その名も沖縄会。由来は知らない。沖縄料理屋にて開催されるからなのだろうか。
大きなテーブルに沖縄のにおいの料理が並んだ。

ルートビアなる不思議な飲みものが廻されてやってくる。
口に含んでしばらくするとだれもが小鼻をふくらませ、これは飲みものではない、と言う。
これではまるで「甘い湿布」じゃないか、と言う。
飲んだことのない方は、なんだそりゃ、と思うことだろうが、これがまさに「甘い湿布」なのだ。
まずそうでしょう。アメリカでうまれた飲みものだそうです。なんとなく納得。

宴もおわりに近づいたころ、明日誕生日の方がいることがわかる。
6種類のアイスがテーブルに並ぶ。さあ、どれでも好きなものをお選びください。
クリーム色がバニラ、濃いむらさきが紅いも、うすい緑がゴーヤ、うす茶色がさとうきび、
白とオレンジのミックスがマンゴタンゴ、うすいむらさきがウベ。

ウベ?

ウベ、ウベベべ、なにか頭のなかでなんどもくりかえしたくなる、偏執的なひびきである。
なんだかわからないまま食していたが、紅芋の仲間でベニヤマイモのことを沖縄の言葉で
ウベというらしい。ああウベ。

どのアイスもおいしかったが、ゴーヤのアイスについては、これはゴーヤじゃない!
安いメロン味!とムトーさん(また登場させてしまいすみません)が言いはっていた。
それを受けて、あのーこれゴーヤですよね、と何度も店員さんに確認する
マエダさんがすてきだった。

読了。

・『芥川賞を取らなかった名作たち』(朝日新書/佐伯一麦著)

選からもれた作品に光をあてることで、その小説の、あるいは作家の、あるいは
賞というシステムの「影」が浮かびあがって見えたことがおもしろかった。
限られたページ数ではあるが、佐伯一麦の読み解き方が、細部にわたって丁寧なので、
とりあげられなかった作品でも読みたい、と思わせてくれる。
そしてこの新書を読んでいるあいだ、なぜか無性に文章を書きたいと思っていた。
ここのところ連日、ブログを更新しているのはたぶんそのせいです。

購入。

・『ポトスライムの舟』(講談社/津村記久子著)
まだ読んでいないけれど、このタイトルは今まででいちばんいいと思う。

・『ねたあとに』(朝日新聞出版/長嶋有著)
この装丁…高野文子じゃないだろうか…と思って調べたらやはりそうだった。
『タンノイのエジンバラ』につづいて2作目の高野文子装丁。
長嶋有は大島弓子装丁の本もあるし、なんていうかこの人は物としての本に
付加価値をつけるのがすごくうまい。そこには名久井さんの力もあるのだろうけれど。
そういうバランスのよさが、作品中の固有名詞の選び方に出ている。アイテムの力を
ずるいくらいに上手に借りて物語をすすめていく。
とりあえず長編ということなので楽しみだ。

さっき電話で早く寝るように言われたばかりなのに、またこんな時間になってしまった。
さようなら、沖縄の夜。
おやすみなさい、東京の朝。
今日言葉をかわしたひとたちが明日も元気でありますよう。
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by mayukoism | 2009-02-06 03:10 | 生活