乃木繭子 本のある風景など。http://twitter.com/komayuko


by mayukoism
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折りかえす季節

深夜のラジオがやさしいのは、夜に眠らないひとや起きるひとに向けて、
語られているからだと思います。
昨日はガーランドやバド・パウエルのピアノを聴きながら、シャッターが下りるみたいに
いつのまにか寝ていた。

最近の驚愕の事件。
お昼の休憩中に、前にアルバイトしていた古本屋店主から電話がかかってきたので、
緊急事態の助っ人要請かしらと思い電話をとったところ、用件とは別に開口一番、
あ、ご結婚おめでとうございます、と言われたことです。
電話をかける相手を間違えたのかと思いました。どこからそういう話になったのかは
なんとなくわかるのですが、えーと、しないです。予定もないです。ごめんなさい。
めでたいことと間違えられたのだから、まったく問題はないのですが、
電話を切ってしばらくしてからも、ひとりで笑ってしまった。

ちょっとした集まりの課題で、谷崎潤一郎の『京羽二重』を読んでいるのですが、
文豪、という言葉はまったく谷崎のためにあるのではないかと思う。
祇園の芸者の舞を観る話で、これは短編というより内容は随筆に近いと思うのだけど、
荒川洋治編集長『新潮創刊100周年記念 名短編』に収録されている。
抑えた文体の作家は何人か思い浮かぶけれど、谷崎のような
なめらかでかつあでやかな文章を書ける作家は、まず現代にはいないと思う。
しかしあまりにも自分から遠すぎて、どういう切り口で語ればいいのか
さっぱりわからないままこんな時間に。もともとそんな理由で、谷崎はあまり
読んでいないのだ。どうしようかなあ。

社会のことがよくわからない。こういう事態が起こったときにこうするべき、という
見えないけれどもあるらしい世の中のルールのことがよくわからない。
そこには感情がともなわないから。
感情だけですごしているなと思う。たぶんこれからもそうだろうなと思う。
だから、人と向き合って相手がなにを考えているか、とか、どうしてほしいと
思っているか、を考えることはできるけれど、そういった感情を無視して、
ルールで物事をすすめなければいけない事態におちいったとき、
いったい何をたよりに状況判断をすればよいのか。まったくわからない。
目の前のだれかをよろこばせるためだけに、いつでも過ごせたらよいのだけど、
そうもいかなくて、そういうときはきまってぼんやりしてしまう。
仕事が増えている。

夜の帰路、欄干の上を歩こうとしてとめられている酔っぱらいの大人たちを見た。
めくれたスーツの裾を見てふいに、ああ冬はもう折り返したな、と思った。
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by mayukoism | 2009-01-27 04:18 | 生活