乃木繭子 本のある風景など。http://twitter.com/komayuko


by mayukoism
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ゆるゆると休日

歩いているうちになにかがほしくなって、そうだ、鞄を買おう、ということになった。

10年近く愛用したAIPのショルダーはよく見るとロゴははげているし、ポケットは
やぶれているし、なかなかのくたびれ加減で、でも使いやすくて手放せないでいた。
休憩時に制服姿で、ポケットのやぶれた鞄をぶらぶらとさせている女子というのも、
さすがにどうかとはつねづね思っていて、休日に散歩の目的地を考えていて
ゆるゆると思いついた。鞄を買いかえてみようと。

そこで思い出すのは『読むので思う』(荒川洋治著/幻戯書房)ですが、
借りものだったゆえにいま手元にはない。
『読むので思う』の中に、鞄を買いかえようとする随筆があったのだ。
結局さいごは、愛用の鞄を洗って、また使いつづけるのだけれど、その気持ちは
ほんとうによくわかる。
自分にとって使いやすい鞄は、身体のかたちににぴったりと寄りそうのだ。
そんな鞄はぜったいに二度と見つからないのだ。

町へ出てみるとおりしもバーゲンの季節。
ショッピングモールを歩くだけで、女子力にきらきらと圧倒される。
女子力、足りてないなあと思う。
では女子力が足りていたことがかつてあったのか、というと、それもない。
女子力なんてなくてもいいや、とむかしは思っていたけど、今はもう少しあってもいいよね、と
思う。
しかし、バーゲンで鞄を見ている女子はほとんどいない。
なるたけ量の入る、でも決して大きすぎないショルダーバッグをゆるゆるとさがす。

買物で失敗したくないので、何度も同じ鞄を見る。
これか、という鞄はしょってみる。
はっとするようなすてきなショルダーバッグが、男子服売り場に展示されていたのだけど、
布製だったのであきらめる。普段使う鞄は、床に置いたりふりまわしたり(?)するので、
布だとたぶんすぐ汚れるし、いたむ。
男子服売り場のほうが気になる鞄が多い。しょせんわたしは男子力なのか。
何度も何度も見る。
所持金も何度も見る(増えない)。

鞄を見ているうちに、なんだかいいお財布が半額以下で売られているのを見つけてしまい、
ううむ、と唸る。
今の財布はもらいものなのだが、小銭口がちいさいのでお会計のときとっても苦労するのだ。
その点、目の前にあるこの財布は、小銭口がぱかっと上に開いて、カードポケットも
たくさんある。ぱちんと閉じられるのもいい。
何度もぱちんとする。ぱちん。ぱかっ。ぱちん。
ううむ。

これかな、と思った鞄が安くなったので、財布も購入することにする。
あたらしい鞄にあたらしい財布を入れると、なぜだか自分が少しいいものになれたような
気がする。使い勝手をたしかめて、前のあの鞄と比べたりすることもそりゃあるけれど、
これはこれでいいのだと思う。そうやって慣れていこう。
余った少しのお金で、紅茶を飲んで帰る。
冬休みの余韻が、ゆるゆる、ゆるゆる、と夕闇に消えていった。
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by mayukoism | 2009-01-10 01:03 | 生活